(株)スペースインク企画(本社東京、蓮池曜社長)は9月6日より(株)日刊現代、(株)日刊スポーツ印刷と協力して、フルデジタル・フルオンライン処理による新聞紙面イメージの衛星放送サービスを開始した。
配信する新聞紙面は、日刊160万部を発行している「日刊ゲンダイ」。衛星は、スカイパーフェクTV!(7月末現在の加入者数132万7千件)を放送している(株)日本サテライトシステムズのJCSAT3号機で、データ放送専用のスカイパーフェクPC!のチャンネル820を使用する。日刊ゲンダイはA版、B版(ときにはC版)が発行されるが、全く同じ内容のものがA版は13時から、B版は16時から放送される。
これにより、北海道から沖縄までスカイパーフェクPC!が受信できる環境があれば、読者は、最新の日刊ゲンダイの紙面が受信できるようになる。
放送される新聞紙面には部分的に暗号処理が施されており、誰でも紙面の一部を読むことができるが、暗号化されている紙面は、暗号解読鍵を取得した読者のみ読むことができる仕組みになっている。この暗号システムは、(株)サピエンスのシステムを採用した。
このサービス自身は昨年の5月から開始されていたが、これまではオフライン操作があり、駅売店などに並ぶ日刊ゲンダイより、放送が数時間おくれていた。
1996年のアトランタオリンピックの際、イスラエルのサイテックス社が、やはり衛星を使って、簡易印刷機に紙面データを配信し、その場で印刷して配布するという実験をしたが、今回の日刊ゲンダイのように、読者に対し直接配信するというのは、世界的にはじめてである。
スペースインク企画は、今後、衛星インターネットなどのメディアにもコンテンツを提供し多メディア展開をはかっていく。また、同様の技術を利用して、新聞の縮刷版制作サービスも、開始する。